JRバス八久線の旅

JR久慈駅 今回乗車したキュービックバス 新幹線シャトルバス「スワロー号」との並び。スワロー号は大盛況でした。 まずまずの乗車率で出発しましたが・・・。 (岩手)県立病院です。
1月某日の土曜日。二戸からスワロー号で久慈へやってきました。
今日は初めてJRバス東北が運行する八久線に乗るためであります。バスがやってきたのは出発時刻の15分前でした。
意外と早い到着に少々驚きましたが、乗客となる人々は次々とバスへ乗り込んでいました。
久慈駅前のバス停時刻表を見ると11:25発となることが分かりました。
1日1本しか運行されていないため、このバスが始発便であり最終便となる訳です。
以前は1日2本または3本が運行され、それも特急便として運行されていました。
また車両も貸切タイプが使用されていました。
それが今では普通の路線バス車両で本数も減ってしまい、とうとう1日1本だけの運行となってしまいました。
そういえば昔は八戸駅のホームに路線バス乗り換え案内板があり、八久線の時刻が掲出されていましたっけ。
それも今となっては昔話となってしまいました。
今日の乗客は思ったよりも年寄客が多く、私を含めて12人ほどいました。

二戸行きスワロー号はかなりの乗客がいました。新幹線効果の表れを象徴するような場面です。
二戸駅から遠く離れた久慈でも、新幹線利用の場合には新幹線シャトルバス「スワロー号」を利用することが
定着していることが分かるような光景でした。
思えば2ヶ月前の11/30までは岩手県北バスが運行する特急バスもありましたが、運行開始から1年で利用者が少ない
理由から廃止されてしまいました。
二戸駅前にはJRバスの車庫もありますし、案内所と待合室も完備されていますが、岩手県北バスにはそれらの施設が
なかったことが原因なんでしょうか?
途中で九戸村内のバス停にも停車するため、それなりに利便性があったと思えるのですが。

話を八久線に戻します。
出発時刻となり運転手がバスの扉を閉めようとスイッチを入れますが、どうも調子が悪いらしく自動に閉まりません。
運転手が手で閉めて再開閉したら直ったみたいで、今度は無事に扉が閉まり発車となりました。
今日のバスは、いすゞキュービック。いつもこのバスが使われる日が多いようです。
方向幕には県立病院前経由の表示がありました。そういえば他のバスで見かけた時には、ただ「八戸駅」という表示しか
出ていないものがありました。
県立病院に到着し、ここで3人下車しました。
久慈湊では時間調整のため、少々停車しました。ダイヤ上の時間調整らしいようです。
夏井駅にて1名下車しました。しかし、乗車する人はいません。このまま皆下車していく一方の様子です。
しばらく行くと八戸線の線路を越えました。しかし、今の時間帯には列車がないため、すれ違うことも追い越されること
もありません。
夏井橋で1名が下車しました。
夏井板橋で2名が下車しました。
この先で国道45号の山道に入ります。路線バスのエンジンはパワー不足なため登坂車線を走り、乗用車に道を譲ります。
ぐんぐん山道を走っていきます。 いつの間にかお客さんがいなくなりました。 国道45号から垣間見えた太平洋 陸中八木駅。ここから1名乗りました。 陸中八木駅に残る腕木式信号機も、まもなく見納め。
この先で国道45号の山道に入ります。路線バスのエンジンはパワー不足なため登坂車線を走り、乗用車に道を譲ります。
北野で2名が下車しました。あと私も含めて乗客は4名だけになってしまいました。
保土沢で1名が下車しました。この時点で八戸までの通し客は私だけだと直感で判明しました。
その理由は身形が違うからです。皆さん、近所に出かけるラフな格好をしていますが、明らかに旅行客というか八戸まで行くぞ!
という感じの人が周囲にいなかったからです。
運賃は着実に上がり、既に490円になっていました。運賃だけ見ていても、だいたいの距離感が掴めます。
侍浜支所前にて1名が下車しました。
ついに外屋敷で私以外の客が降りてしまい、1人だけになってしまいました。
ここから先、ずーっと私は1人だけになってしまうんでしょうか?ちょっと不安が過ります。
発車から30分が経過しました。時計を見ると12時になっています。
ふと道路標識を見ると、八戸まで残り40km弱であることが分かりました。
バスは淡々と走り続けますが、誰も乗ってきそうにありません。
バスはひたすら国道45号を飛ばしていきます。何せ交通量が少ない道路なので、表定速度もかなり速いと思います。
いきなり小古内から国道45号を外れて脇道に入りました。脇道に入ったバスは、そのまま集落を通り、海が見えて開けた景色に
なったかと思えば陸中八木駅前が見えて、ここで停車しました。
しばらくぶりに1名のおばあさんが乗車してきました。なぜだかちょっと安心します。
お客が2名となったバスは、再び国道45号に戻って走っていきます。
国道45号をひたすら走ります。隣には八戸線の線路が見えました。 種市町役場 種市駅です。ここでトイレ休憩をするとは思いませんでした。 種市駅前で停車中の八戸駅行きバス。 階上町を通過しています。
しばらく走り続け、種市海浜公園の角を右に曲がりからまた脇道に入っていきました。
大きめの建物が見えたかなと思ったら、種市役場前というバス停であったようで、ここで陸中八木駅から乗ったおばあさんが
下車して、再び私だけになってしまいました。
次の種市駅で停車し、いきなり運転手に「どちらまで?」と話しかけられました。
私は運転手に「八戸まで」と告げると「先が長いので、トイレ行っても大丈夫ですよ」と気遣ってくれました。
なかなかいい運転手さんです。
種市駅のバス停に掲げられている時刻表を見ると、12:19発が所定ダイヤだと分かりました。しかし、現在は12:25なんで6分ほど
遅れていることが判明しました。
バスが発車し、再び国道45号を走っていきます。
角の浜に到着し、ついに二戸駅からの運賃が1000円となりました。
さすがに運賃が1000円となると、終点が近いことを予感させます。
ここで意外なことに若い男性が1名乗車してきました。
再び乗客が2名となったバスは、国道45号線をスピードをあげて走っていきます。
なにげ外を眺めていると、いきなり車窓の右に八戸市営バスの三菱MS618型らしきバスの廃車体を見つけて驚いてしまいました。
しかし、あまりに突然の出来事だったため、写真を撮り損ねてしましました。とても残念・・・。
道の駅階上を通過します。 階上町に南部バスのバス停がありました。 運賃表には「角の浜」の文字が。 ついに青森県内へ! 八戸市内に入って、一番先に市営バスとすれ違いました。
国道45号をひたすら走り、いよいよ青森県に入りました。
私たちを乗せたバスは、この先クローズド・ドア扱いとなり、青森県内というか八戸市内では旭が丘営業所と館花下のみにしか
止まらなくなります。
また、旭ヶ丘営業所から八戸駅までの区間利用ができなくなります。
これは、岩手県に営業エリアを持つJRバス東北が青森県内八戸市内には直接的な営業エリアがなく、南部バスや八戸市営
バスの営業エリア内を冒さない約束をしているからなのです。
このため、JRバスを利用する人がいたとしても客扱いを行わないクローズド・ドアといわれる方法を取り、他事業者のバス停には
停車しないことにしているのです。
クローズド・ドアという、古き制度が今も残るバス路線が未だに残っている八久線ですが、そろそろこの方式自体を廃止して、
岩手県内でも八戸市内でも自由に乗降できるようにした方が良いのではないかと思いました。
旭ヶ丘営業所では市営バスの営業所内をぐるっと一回りしてから、市営バス待合室の前に停車しました。
ここで下車する人は誰もいません。というよりも、たった2名しか乗っていませんから。
ここでは時間調整のため、2分ほど停車しました。
八戸市営バスの旭ヶ丘営業所の敷地内へ進入します。 JRバスにも係わらず、市営バスの敷地内を堂々と一回り。 久慈駅からの運賃も1190円になりました。 旭ヶ丘営業所の待合室前に到着しました。しかし、下車する人はいません。 八戸市内の中心街が近づくに連れて、国道45号も片側車線になります。
旭ヶ丘営業所の次に停車する館花下は、八戸市内で2カ所目のバス停です。
ここで私と角の浜から乗車した客の2名とも下車して、バスは乗客が0になったまま出発していきました。

今回、JRバス八久線の久慈発八戸行きを利用してみて思ったのは、八戸線が運行されていない空白時間帯を埋める鉄道代替
としての使命を持ったものであることが分かりました。
そのために、陸中八木や種市では駅前にバスを付けているのであろうと想像できます。
しかし、それも八戸発久慈行きでは八戸線が出発した7分後に発車する時刻改正が行われ、鉄道とほぼ同一ダイヤで運行
されるという奇妙なことも起こっています。
ただし、この場合は種市駅や陸中八木駅前まで乗り入れることはないため、鉄道代替としての機能は持たせていないようです。
通し客がいないJRバス八久線。この路線は果たしていつまで運行されるのでしょうか?
それだけが心配だと書き記し、本稿を閉じたいと思います。
八戸市街が見渡せる下り坂を通過中。 そろそろバス専用レーンがある区間に入ります。 運賃表には下車する館花下の文字が。運賃も1250円になりました。 館花下で下車しました。ここでバスともお別れです。 館花下のバス停には、JRバスの標識と市営バスの標識が2本立っています。

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