八戸市営バス種差線の旅
(15系統 金浜小学校前行)

この旅は、「八戸鉄道・バス研究会別館ブログ」にて不定期連載中の「八戸市営バスの終点へ」シリーズの中で取り上げた「第4回−金浜小学校前」の取材時に利用した
15系統の市営バスに乗った時のものです。
ブログの記事も合わせてお読み頂ければ、より分かりやすいかと思います。
出発は中心街の三日町バス停から 突如現れた金浜小学校行 意外なことに大勢の乗車が! 側面方向幕は砂森から表示
6月の梅雨が残るある日、私は三日町から1日1本だけ運行されている金浜小学校に乗ってみることにしました。
バスの発車時刻である12:20頃から待っていましたが、三日町のバス停には中高年層を中心とした方々がバスを待っていました。
金浜小学校行のバスが発車する三日町バス停は、他にも鮫・岬台団地・小中野バスセンター・ラピアなど、
本数が多く運行されている路線が発車するため、お客さんの数も必然的に集まってくるバス停です。
この日も多くのお客さんがバスを待っていたので、私はてっきり鮫か岬台団地行のバスを待っているのだろうと思っていました。
発車時刻ぎりぎりになって、市営バスの金浜小学校行がやってきました。バスは市内循環線でも使用されている中型バスです。
そういえば、鮫から運行されている「ワンコインバス・うみねこ」号も中型バスが使用されています。
やはり通称「うみねこロード」の道が狭隘だからなのでしょうか。
バスが到着して驚いたのが、さきほどからバスを待っていた多くの中高年層のお客さんが大勢バスの乗車口に向かってきたことです。
まさか1日1本しか運行されない金浜小学校行にこれほど大勢乗り込むとは予想していませんでしたから。
車内の座席は全て埋まってしまった さらに小学生サッカーチームが乗車! 八戸線が見える雨の柳橋を渡る 中道で小学生が大勢下車した
狭いバスの車内は大勢乗り込んだ中高年層のお客さんで座席が全て埋まってしまいました。
乗り込むまでに多少時間がかかってしまったこともあり、バスは既に発車時刻から2分ほど遅れています。
それにしても、いつもこれだけ大勢が乗車するのでしょうか?
なのに1日1本しか運行されないのは何故なんだろう?という疑問を抱きつつ、バスは鮫・岬台団地行のバスが走る同じルートを走っていきます。
途中、新丁バス停に大勢の小学生が待ち受けていることを車窓から発見しました。
まさか、この小さなバスに乗ってくることはないだろう・・・?
と思っていたのも束の間、私の予想はまた外れてしまい、大勢の小学生がバスに乗り込んできました。
既に車内の座席は全て埋まってしまっていますので、当然立ちながらの乗車となる訳ですが、それでもバスの中はぎゅうぎゅう詰め状態。
ここでも乗車時間がかかってしまい、バスはさらに遅れを増やして進んでいきます。
新丁から乗り込んできた多くの小学生たちは、どうやらサッカチームらしく試合が終わった帰り道でバスに乗ったそうです。
なぜこのような状況が分かったかというと、車内にいたおばあさんが小学生に話しかけていたのを横で聞いていたからなんですが。
おばあさんからすると、きっと孫に話しかけているイメージなんでしょうね。
バスは6分ほど遅れて中道バス停に着きました。ここで降車ボタンの音が。
さきほど乗車してきた小学生サッカチームの団体さんは、一斉に中道バス停で降りていきました。
しかし、ここでまたハプニングが!
運賃の支払いが個別になったものですから、降りるのに時間がかかっていたのでした。
おまけに小学生は大人運賃の半額で、さらに細かいお金になりますから両替なんかも加わると、かなりの時間となります。
結局、ここで5分ほど停車したままとなり、バスは既に12分ほど遅れた状態となっていました。
岬台団地北口付近の景色 法師浜付近で海が見えてきた 大久喜辺りはうっそうとした緑が広がる 金浜からも海が見える
相変わらず雨は止むことなく、降り続く中をバスは走っていきます。
労災病院通りで何人かの乗降があり、いよいよ種差線と山手回り鮫行との分岐点となる砂森バス停に到着しました。
種差線の砂森バス停には多賀台団地にあるような待合室が設置されています。
まるでちょっとした乗換バス停といった堂々とした感じが伝わってきます。
砂森も過ぎても、殆どのお客さんはバスから降りることもありません。
妻の神バス停から種差海岸駅通りバス停までの間は、鮫から来る「ワンコインバス・うみねこ」号と同じルートとなります。
方や一乗車100円だけで利用できるバスと距離に応じて運賃が上がっていく普通運賃を適用したバス、
この区間だけは二重運賃が適用となるのです。
種差海岸付近は住宅の張りつきが多いため、この辺りで乗降する人や種差海岸を見物する観光客がバスに同乗しているではないかと
思いましたが、実際にはそのような方は誰もいなく、誰も乗り降りしないままバスは種差海岸付近を通過していきました。
殆どが三日町バス停から乗り通したままの状態で、法師浜バス停付近にまでやってきました。
凄いですね。これだけ乗り通してくれるお客さんがいるということは、ほぼ全員がこのバスを日常的に利用している固定客なんだいうこと
になるんですね。
既に運賃も600円を超えているのですが、中高年層の方々は皆高齢者乗車証を持っている人が多いため、運賃を気にすることはないようです。
ちょっとした民家がある金浜駅前 なぜか事務用椅子が並ぶ上金浜 金浜小学校前は何もない折り返し場 金浜小学校前から進行方向を見る
いよいよバスは金浜付近にやってきました。
金浜、金浜口、金浜駅前、上金浜の順に停車していきますが、始発から乗り込んできた大勢のお客さんが少しずつ下車し始めました。
皆さん、殆どが金浜付近にお住まいの方々だったんですね。
どうりで途中で降車しないわけですね・・・。
私以外のお客さんは、上金浜で下車していきました。

金浜小学校前終点に到着しました。
しかし、このバス停には周囲に田んぼとうっそうとした山の森があるだけで、小学校らしき建物もどこにあるのか分からないような所にぽつんとバスの
折り返し場があるだけでした。
バス停標識もかなり年数が経っていることを証明するように、バス停名以外の文字がかすんでしまって見えにくい状態になっています。
到着したバスは、早々に方向幕を折り返しとなる旭ヶ丘営業所行に変えていました。
私も来たバスで折り返さないと帰れなくなってしまうため、運転手さんに一言断ってバスと折り返し場を撮影して乗ってきたバスで折り返すことにしました。
バスが来た進行方向反対側の景色 バスはすぐに旭ヶ丘営業所行に 運転手も少しだけ休憩
今回乗車した15系統三日町〜金浜小学校行の便は、かなり以前から殆ど時刻を変えずに運行されている
ことが後から分かりました。

S.60時刻表 三日町発12:33→金浜小学校前着13:25
H13時刻表 三日町発12:30→金浜小学校前着13:20
現在でも平成13年の時刻表と変わらないまま運行されています。
長く変わらぬまま運行されているため、私が乗車した時に乗っていた中高年層のお客さんが若い時から、
固定客として利用していたことが、時刻表からも窺い知ることができました。
ひっそりと立つ金浜小学校前バス停



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