十和田観光電鉄  鉄道線の存続・廃止問題
三沢~十和田市を結ぶ十和田観光電鉄の鉄道線について、存続か廃止かで大いに揺れています。
十和田観光電鉄は、東北新幹線全線開業による利用者減少と少子化による高校生の減少により利用者が減少していること、
今後10年間に施設の老朽化等による設備投資に対する支援に加え、既存の安全対策に係る補助金の他に設備投資、欠損金
に対する財政支援を沿線2市1町(三沢市、六戸町、十和田市)に対して10年間で約5億2,100万円の財政支援を求めており、
支援を受けられない場合には鉄道存続が困難と訴えています。
しかし、2011年8月下旬と9月上旬に沿線2市1町の議会から支援に消極的、反対する意見が相次ぎ、鉄道の廃止が現実味を
増してくるといった報道も目にするようになりました。
9月に入り、沿線2市1町では住民向けに十鉄からの意見を聴取する説明会が開催されるようになり、9月末まで予断を許さない
状況になってきました。
また、市民団体でもこの問題を受けて9月19日に緊急市民フォーラム開催を決める等の動きも出てきています。
本コーナーではこれまでの報道や住民説明会での意見等を中心に情報を整理して、今後の動向を注視していきたいと思います。

【2011/10/11追記】
2011/10/11に十鉄が鉄道事業者として正式に鉄道廃止を表明しました。
存廃問題についてはこの正式表明により終了し、今後は代替バス運行に焦点が移ります。
この報道資料を掲載し、本コーナーの更新は終了します。
【更新履歴】
2011/09/11 三沢市、十和田市住民説明会での主な意見等を掲載
2011/09/12 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を掲載(9/11掲載分まで)
2011/09/14 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(9/13掲載分まで)
2011/09/16 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(9/16掲載分まで)
2011/09/17 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(9/17掲載分まで)
2011/09/18 六戸町住民説明会での主な意見等を掲載
2011/09/19 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(9/18掲載分まで)
2011/09/19 画像の一部差し替え(会場内写真を人物以外の画像へ置き換え)
2011/09/20 緊急フォーラム動画掲載(リンク)
2011/09/26 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(9/25掲載分まで)
2011/10/03 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(10/3掲載分まで)
2011/10/07 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(10/7掲載分まで)
2011/10/11 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(10/11掲載分まで)
2011/10/12 十和田観光電鉄存廃問題に関する報道資料を追加(10/12掲載分まで) 最終更新
 
こちらの資料をご覧になりながら、下記をご覧頂くと理解しやすいです→住民懇談会にて配布された十鉄の資料(当社鉄道線の現状)
 
十和田観光電鉄存廃問題に関する報道記事についてはこちら
 
沿線2市1町で行われた住民説明会での主な意見をとりまとめて公開しています。

1.三沢市 2011年9月2日開催
2.十和田市 2011年9月7日開催
3.六戸町 2011年9月15日開催
 
三沢市「十和田観光電鉄に関する意見を聴く会
厳しい経営状況にある十和田観光電鉄の現状について、広く利用者�や市民�の皆様の意見�をお聴きし、鉄道事業存続に対す行政支援のあり方などを検討するための参考とするため、「十和田観光電鉄に関する意見を聴く会」を開催します。

日時・場所 平成23年9月2日 午後6時から 三沢市公会堂3階 第8集会室
内容 十和田観光電鉄による鉄道事業の現況説明及び質疑応答など
  
【主な質疑、意見等】
Q1.金融機関からの借り入れは、今どれくらいあるのか?
A.平成20年3月1日に旧十和田観光電鉄から新会社(現:十和田観光電鉄)へ切り替わっており、この時に旧会社の債務処理は完了していることから新たな借り入れはしていない。

Q2.
1.経営改善策はいろいろやっているようだが、費用対効果はどれくらいあるのか?
2. 5~6年くらいの投資は仕方ないと思うが、今後鉄道事業で黒字が出ない見通しであれば、廃止というけじめをつける必要があるのではないか?
3.三沢市民にとっては東北新幹線の新青森延伸開業により、JR東北本線が青い森鉄道になってから不満が多い。そもそも東北新幹線開業により鉄道利用者が減少することは事前に予想できたことではないのか?


A.鉄道事業を商売としてやっているのであれば、とっくの昔に廃止しているし、商売としては成り立たないのも事実である。
東日本大震災の発生により新幹線開業効果がなくなってしまい、観光客が激減している。ここまで影響が出るのは想定の範囲を超えていたし、震災の影響は考慮できなかった。

Q3.電車を残すか廃止するかの選択であるが、通学の足はどうなるのか。車を運転できない高齢者の足はどうなるのか。5億2千万円の負担は2市1町だけではなく、通学生がいる東北町やおいらせ町、他の町村へも呼びかけるべきではないか?
A.当社としては鉄道の維持存続をお願いしたいということで、沿線2市1町へお願いしている。十和田観光鉄道活性化協議会に上十三地域の自治体に委員として協力してもらっているが、鉄道事業への資金面でのお願いはしていない。

Q4.
1. 通学で電車を利用している中学生である。鉄道は残して欲しい。
2.自動券売機はデジタルではなく、アナログ方式にした方が経費がかからないのではないか。
3.少子化により通学利用が減る観点だけではなく、もっと観光客を増やす努力が必要ではないか?
4.七戸十和田駅、十和田市駅から十和田湖行きのバス「十和田まるごとシャトル」は七戸十和田駅からの利用者が多いのか?
5.もっと広報やPRに力を入れてはどうか?
6.青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道との連携について、観光客を増やす努力をした方がいいのではないか?

A.2次交通の役割をもっと活用すべく、さらに努力していく。また震災により滞っていたが、各社との連携も深めていきたい。広報、ホームページでも鉄道の沿線案内を掲載する等、もっと充実させていきたい。十和田まるごとシャトルは実際の利用者は少ないが、殆どの利用者は七戸十和田駅から乗車しており、十和田市駅からの乗客は極めて少ない。

Q5.(三沢市に対して)青い森鉄道に対して出資しており、さらに十鉄へ出資するとなれば市の財政状況も厳しいと思うので、熟慮して(廃止を)決断してもらいたい。

Q6.十和田市駅でのバス、電車との接続ダイヤが悪い。ひどい時には1時間以上待つことがある。特に土日がひどい。バスが土日運休になったことで自家用車利用へシフトせざるを得ない。バスが十和田市駅に到着した時に電車が発車してしまうパターンが多い。もっと接続改善すべき。
A.鉄道は単線運行であり、行き違いは七百駅でしかできないため、満足いくダイヤができない側面もあることをご容赦頂きたい。5月16日にダイヤ改正してご利用が少ないバスダイヤは運休措置を取らせてもらっているが、これも経営改善の一環である。いろいろご不便をおかけしている点は申し訳ない。

Q7.とおてつレールファンクラブを青い森鉄道サポーターズクラブや津軽鉄道サポーターズクラブとの交流や連携しているのか?
A.とおてつレールファンクラブは当社が設立したもので、市民団体が中心となって設立されたものではない。これから関係団体と交流していきたいと思う。

Q8.2両編成の電車を1両で運行したらコストダウンにつながるのではないか?電車をディーゼルカーにしたらコストダウンにつながるのではないか?
A.現在運行している2両編成の電車は運転台が車両の片側にしか設置されていないため、1両では運行できない。予備車に両運転台の車両があるが、朝の通学時間帯に3両で運行し、昼間に1両にするため切り離しすればいいという考えもあるが、コスト削減の一環で人員を配置していない。人件費と電車の運行コストを比較すると圧倒的に人件費の方が高いことから、対応は困難だと考えている。
ディーゼルカーは中古車両がみつけられるのか、運転手の免許が電車とディーゼルカーでは異なること、給油設備の新設に多額の費用がかかること、線路道床の強化が必要等を考えると初期投資が大きく現実的ではない。
 
【管理人(注)】三沢市の説明会においては、存続を求める意見よりも廃止すべきとの意見が若干多かったように感じた。
 
 
十和田市「十和田観光電鉄に関する市民懇談会
 
十和田観光電鉄は、昨年12月の東北新幹線全線開業及び少子化に伴う利用者の減少等により鉄道事業の経営が厳しい状況となっており、今後の運行について、当市を含めた沿線市町の支援がこれまで以上に必要とされております。こうした状況について、説明し幅広く意見を交換したいと考えております。

日時: 平成23年9月7日(水)18:30~
場所: 十和田市中央公民館(住所:十和田市西十三番町1-1)
※事前申し込みは不要です。
  
◎懇談会開催まで経緯と今後の状況について(十和田市企画財政部長)

 十和田市は十和田観光電鉄に対し、鉄道の安全輸送に係る設備等の整備について平成14年度~平成22年度まで約1億円を支援してきた。これは十和田市のみの金額であり、国、青森県、三沢市、六戸町の支援を加えると総額は約6億1千万円となる。
 しかしながら東北新幹線全線開業による一般客の大幅な減少や少子化による高校生の減少、さらに自家用車による送迎の影響等により鉄道事業の経営が厳しい状況となり、将来も利用者や収入の減少が明らかであることから、沿線市町の全面的な支援がなければ鉄道事業を維持できないとのことで、本年4月に十鉄から三沢市、六戸町、十和田市に対し、経営状況の説明と支援の要請がなされた。その後、国や県からも助言を頂きながら、増収や経費削減の可能性、支援要請の内容等について精査し、協議・検討してきた。8月18日に高等学校の代表者並びに沿線住民の代表者がメンバーとなっている「十和田観光鉄道活性化協議会」において、十鉄から現状と今後について、さらに支援要請の説明があり、今後の鉄道事業のあり方について意見を伺ったところである。
 また9月2日には市議会全員協議会の場で、本日と同様に十鉄から説明を頂き、委員の皆様から意見を伺ったところである。なお、三沢市、六戸町においても同じように意見交換の場を設定しており、今後各市町の状況等を踏まえ、2市1町において要請に対する回答を検討したいと考えているところである。
 支援要請の内容については十鉄から説明があるが、要請の概要については厳しい経営状況から自力では機械の更新等の設備投資が全くできないため、10年間の合計で約5億2千万円を2市1町で支援して欲しいとのことである。なお、そのうち十和田市分はこれまでの支援の割合が約50%なので約2億6千万円と見込んでいる。
 本日は鉄道を運行している十鉄からの説明を行い、皆さんからの意見を伺いたいと考えている。

◎十鉄からの説明→資料に基づく内容

◎参加者からの意見、質疑

Q1.十鉄が大変ご苦労していることは理解できた。十鉄は9月で89周年を迎え、来年は輝かしい90周年という節目を迎えようとしている。鉄道を廃止するのか存続するのか、判断が求められていると思う。十鉄は本当に真剣に経営に取り組んできたのか?平成14年に厳しい意見を交わしながら2市1町で財政負担してステンレス車両を購入している。その時十鉄は「最大限経営に努力する」と発言したことを記憶している。経営改善に取り組んできたと説明されたが、別の形で経営改善できなかったのかと首を傾げている。車社会に負けず、交通弱者の足を守ってもらいたいと願いを込めての発言である。
A.(十鉄)平成14年度にステンレス車両を導入したことの話があったが、これに至る経緯は全国各地の鉄道事故が多発し、安全対策上からATS付き車両の導入が必要となったためである。車両導入に際して沿線市町から財政支援を受けた際に「今後最大限の努力をする」と住民と約束したのを覚えている。
これまでの経営改善として収入を上げることも合わせてやってきているが、会社として固定費の部分、特に人件費の削減という部分で平成12年度には給与、賞与、退職金の大幅な削減を実施した。平成20年3月に過去の金融負債を含めて全て旧会社に一括処理を行った。ここに至る経緯としては親会社も含めて借金のない会社でやっていこうということで、退職金を50%カットしたり、いろいろと経営改善に向けて取り組んできたところである。震災関連においては雇用を維持するために一部休業制度の取り組み、役員、管理職の基本給大幅カット等を行い、売上増についても震災前の状況に一刻も早く戻すべく全社挙げて営業活動を展開している。


Q2.運転免許を持っていないため、電車をよく利用している。毎月東京へ出張がある時にも電車を利用している。十和田市とか周辺市町村が考えなくてはならないのは10年間で5億2千100万円、1年当たり約5,200万円の支出に対してである。例えば年間5,200万円で道路を作った場合に何メートルできるのか?きっとそんなに長い距離はできないだろう。そういうことを考えると周辺市町村も含め、十鉄へ支援しなければならないのではないか。そのために税金を支払っているようなものだ。
交通弱者と呼ばれる人たちのことを考えなければならない。鉄道の安全性、定時性という優位性がある。
市としてはコンパクトシティも考えておく必要がある。富山市においてはLRTを活用してコンパクトシティにしていこうと考えている。そういう意味では鉄道、バスも含め公共交通機関をしっかりとしたものにする必要がある。
ただし、十鉄の経営姿勢には満足していない。市民として十鉄に対してメールで意見を2回ほど出したことがあるが、返事が来なかった。駅員の応対も問題があったりするが、十鉄にはこれからも頑張ってもらいたい。(会場から拍手)。


Q3.市が苦しい時に税金を投入してまで電車を存続させなければいけないのはおかしい話である。時代が電車を必要としていない。役目は終わった。ただ弱者だから、ただ赤字だからでは駄目だ。バスに転換すれば十分。赤字を垂れ流しするものに財政支援は不要。

Q4.鉄道に対し沿線市町から財政支援を受けなくても鉄道を廃止するという安易な結論は出して欲しくない。
2市1町から財政支援が受けられない場合、いつ鉄道を廃止するのか?
A.(十鉄)2市1町の議会説明、合わせて住民説明会等を9月15日まで開催する。その後、2市1町での協議を踏まえ最終回答が通知される予定である。会社としては通知の内容で判断したいと考えており、いつに廃止ということは決めていない。


Q5.鉄道が廃止された場合、朝の通勤通学時間帯に並行する道路が混雑して渋滞すると見込まれる。十和田から三沢まで車で20分前後、遅くても35分で到着するが渋滞すると+15分は余計にかかると思われる。例えば雨が降った場合には学生を送迎する父母の車が増え、鉄道が廃止されバスになった場合には+30分は余計に時間がかかるのではないかと思う。鉄道が廃止された場合、十和田市としてどのように対処するのか?
A.(十和田市)現時点では何も決まっていない。仮の話もできない。

Q6.十和田市駅舎の建替えが1億円となっているが、これほど多額の費用をかける必要はないのではないか?また、三沢駅を廃止して青い森鉄道の三沢駅と合併してはどうか?また、青い森鉄道に現有車両をリースして売上を増やしたらどうなのか?米軍三沢基地へ乗り入れていた貨物線が廃止されたが、それを使って三沢市中心街へ十鉄が乗り入れて集客したり、防衛施設として補助金を受けたらベストだと思う。
A.十和田市駅舎は最大に見込んだ仮見積であり、費用削減の余地はあると思う。
青い森鉄道は交流で当社の電車は直流であることから乗り入れできない。
古牧温泉敷地内の貨物線は線路を撤去しており、復活させるとしたら多額の費用がかかる。

Q7.毎年赤字になると言っているが、将来的に黒字になることはないのか?今後もずっと赤字が続くのであれば子供たちの代まで借金が残るのは困る。人件費のカットや資産を売却する努力も必要ではないか?
A.当社現状の利用客は沿線高校へ通学客であり、一般客の減少が続く状況を考えると今後の見通しもかなり厳しい。国、県、沿線市町の支援を受けてここまでやってきているが、商売という側面で捉えれば鉄道で儲けるというのは大変難しい。
震災前にも人件費削減、人員削減等も行ってきているところである。
沿線市町に求めている財政支援は、市民の貴重な税金であると重々認識している。
資産も極力売却してきているが、ほぼ余裕ある敷地も含めて売却してきたところである。

Q8.のんびり電車が走る風景が珍しくなった。私も60歳を過ぎ車に運転できるが、あと10年も経つと運転免許証を返納しなければと考えている。その時のために電車を残して欲しい。環境のためにも二酸化炭素を出さない電車は必要だと思う。5億2千万を市民1人当たりにすればたいした金額ではないと思う。今廃止してしまったら10年後には電車を残しておくべきだったと後悔するかもしれない。あと10年頑張って欲しい。電車を残すためにいろいろなイベントを企画したり、市民からアイディアを募ったり、いろいろ頑張って欲しい(会場から拍手)。

Q9.十和田市に対して聞きたい。2市1町で支援がまとまらなければ十和田市単独でも支援する考えはあるのか?
A.(十和田市)2市1町で考えをまとめたいと考えているので、まとめるよう努力する。

Q10.存続要望である。十和田市は鉄道駅がある町として発展してきた。今回の問題に対して、ここ2~3ヶ月ほどの議論だけで結論を出すというのは非常に残念である。三本木高校も工業高校も鉄道があるから移転してきたと聞いている。鉄道がなくなれば学校や子供たちが一番困るのではないか。今日の市民懇談会も8割が通学生利用と言っておきながら、参加者には子供たちも父兄と見受けられる人が少ない。一番利用している方の意見を聞かないで利用していない方の意見を聞くというのは、片手落ちではないか。
鉄道がもし廃止され、バスになった場合に何台のバスを使って、何人の運転手を使うのか。もしバスも赤字になったら、その分も補助金を求めるのか?決して黒字になるとは思えない。
公共交通といわれる鉄道、公共の投資と考えれば十和田市内にある公共施設はどこも赤字で補助金を出している。これらの経費は今回の補助金と違い、年間2~3千万どころではない。赤字の公共施設に補助金を出している行政としては同じ「公共」が付く公共施設と鉄道が違うという根拠はどこにあるのか?8割の子供たちを守るために、十和田市はもう少し前向きな姿勢を出して頂きたい(会場から拍手)。

A.(十鉄)鉄道の場合はインフラに費用がかかる。バスの場合、インフラは道路であり、費用は自社負担が発生しないところが大きな違いである。鉄道が廃止されバス代替になった場合は予備車含めて9台のバスで賄えると想定している。インフラ面では三沢市、十和田市にも営業所があるため、賄えると考えているが。初期費用としてバス車両の購入費用がかかる。

A.(十和田市)公共交通と公共施設について説明したい。市としてはバス路線に補助金を出している。平成22年度は域内生活路線ということで十鉄に対して1,800万円出している。また十鉄の路線バスが廃止された地域に乗合タクシーを運行しており、それに対しても補助金を出している。
公共施設は市が直営で運営しており、ご指摘のように相当お金がかかっているが、公共施設は地方公共団体がやらなければならないものであるため、公共交通と公共施設は分けて考えて頂きたい。

Q11.今回の問題について事が性急過ぎる。一般市民が気付くのが遅かったのか、行政または十鉄の発表が遅かったのか?もう少し時間をかけて議論できないのか?急がなければならないことは良く分かる。鉄道の存続に向けて第3セクターのようなものを考えるとか、もっと時間をかけて議論して良い結論が出せればと考えている。多感な高校生たちが線路をなくすということをどう考えているのか。将来をもう少し見据えて、時間をかけて議論できないものか(会場から拍手)。

Q12.三沢市議会からは廃止しろと意見が出されたようだが、三沢市においては青い森鉄道と十鉄を一緒に考えなければいけない問題である。財政支援がなければ廃止するというのは十鉄だけではなく、青い森鉄道も同じなのは前から言われていることであって、十鉄を残すということ、青い森鉄道の利便性向上を図るというのはセットで考えていかなければならない問題である。IGRいわて銀河鉄道で行っているような安心して通院できるような企画乗車券があるが、そのようなものを取り入れる工夫も必要ではないか。青い森鉄道と連携して観光客にも乗車できるような施策を出すとか、そういう将来的なビジョンや利便性を高めることを示せば住民にアピールできると考えている。
十鉄と青い森鉄道との乗り換えも不便である。是非存続して欲しいためにも営業努力に期待している。
十和田市に対しても三沢市を説得してもらい、存続のために頑張って頂きたい(会場から拍手)。


Q13.三沢から十和田市まで月に1回でも良いので乗り放題の乗車券を出すとか、そういうことをした方が良いと思う。沿線の桜もきれいなので電車をなくさないでほしい(会場から拍手)。

Q14.電車をバス転換した時の試算も出して欲しかった。青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道と連携協定があるのに動きが悪い。新幹線から三沢を経由して十和田市へ来るのと七戸十和田駅から十和田市まで来るのだと、交通費は三沢経由の方が安い。そういった利便性の部分もPRすべき。利用されるような工夫が必要だと思う。十鉄三沢駅に子供たちが集える場所を作って欲しい(会場から拍手)。
A.岩手県北地域と青森県南地域の交流促進に向けた企画乗車券の発行等、震災で滞っていたが、連携協定の動きを活発化させていきたい。PRが足りないのは確かだと思うので、新幹線から十和田市までのアクセス時刻表を作成して、早急に取り組んでいきたいと考えている。

Q15.実際に利用している高校生たちに十鉄に関するアンケート調査を実施していると思ったが、実施するのか?
十和田市駅の立ち退きに伴い、4月1日に線路を撤去する前のタイムリミットが6か月前なので9月末までに存続か廃止かを決めるのは理解できるが、バスで代替するにしても事前に運輸局へ届け出する必要があると思うが、そうした準備を全くやっていないというのはどういうことなのか?
9月末までに結論を出さなければいけないという切羽詰まった状況を、あえてギリギリで設定しているとしか見えない。十和田市に対しても4月から今回の問題があることを訴えていたと聞いているが、十和田市も十鉄も市民に対する働きかけを一切してこなかった。非常に拙速で、あえて廃止を狙っているような感じがして良い手法ではない。
4月1日で廃止するかしないかではなく、数千万だけ負担して検討期間を1年間設けるといった策もあるのではにないか?

A.(十鉄)現役の高校生に対してアンケート等は実施していなかった。
鉄道がバス代替になった場合の申請については、全てダイヤが決まって申請から認可まで約3ヶ月はかかる。それを逆算すると正式に申請する前に沿線の学校、自治体等と運行計画の協議が必要となり、それらに係る時間も必要との認識である。

A.(十和田市)2市1町として従来通り安全対策に対する財政支援は続けていこうと考えていたが、今回の経営的な補填については疑問に感じている部分がある。鉄道の存続判断は自治体ではないことは先ほども申し上げたが、高校生へのアンケート実施については2市1町で協議していきたいと考えている。
1年間結論を先送りして考えるべきとの指摘があったが、来年3月31日までに十鉄駅ビルを新たに取得した会社から十鉄に対して立ち退き期限が設定されている。もし来年度以降鉄道を存続させるならば、仮の十和田市駅舎を造らなければならず、それについても2市1町での負担となることから2市1町で協議していきたいと考えている。

Q16.市民に対して鉄道がなぜ必要かという働きかけを行ってほしい(会場から拍手)。

Q17.今の皆さんからの意見を聞いていると存続賛成のようである。まるで電車がなくなると足がなくなるようなことを言っているが、バスがあったらそれでいいではないか。雨が降ると道路が渋滞すると言っていたが、渋滞する理由は並行する線路があるために踏切があるためである。鉄道を廃止して道路を拡幅すれば右折レーンができる。そうすれば渋滞はなくなる。渋滞は朝夕のみである。電車からバスにして停車地を増やせば利便性が増す。

Q18.今日提示された資料と十鉄からの説明では、税金の投入は反対である。ただ個人的には鉄道の存続を望んでいる。そのためには十鉄の努力の姿勢と熱意を示して頂きたい。
 
【管理人(注)】十和田市での説明会では存続を求める意見が非常に多く、廃止すべきとの意見は極少数で三沢市との温度差があった。
 
 
六戸町「十和田観光電鉄に関する町民懇談会
 
 十和田観光電鉄は、昨年12月の東北新幹線全線開業及び少子化に伴う利用者の減少等により鉄道事業の経営が厳しい状況となっており、今後の運行について、当町を含めた沿線市町の支援がこれまで以上に必要とされております。
 こうした状況について説明をし、幅広く町民の皆様の意見をお聴きしながら今後の在り方の参考とするため、下記のとおり『十和田観光電鉄に関する町民懇談会』を開催します。
■ 日時
  9月15日(木) 午後6時30分より
■ 場所
  七百地区公民館 (六戸町大字犬落瀬字権現沢14-26)
■ 内 容
  十和田観光電鉄による鉄道事業の現状説明および質疑応答など
■ 対象者
  どなたでもご参加できます。申し込みは不要ですので、参加希望の方は当日直接会場にお越し下さい。
  
◎企画財政課長挨拶

 企画財政課が公共交通を担当していることもあり、一言ご挨拶する。
 今日の住民懇談会の趣旨について触れさせてもらう。私たちにとって馴染み深い十鉄の電車がマイカー、少子化の影響もあり利用者が減少している。また、昨年12月の東北新幹線全線開業の影響があり、三沢駅の乗降客、特に一般客の減少が影響している。今後の鉄道事業収支についても厳しさが増しているとのことである。そうした中でも鉄道輸送については安全運行に関する設備投資は続けていかなければならないとのことである。
以上のことから、十鉄から六戸町、十和田市、三沢市に対して新たな支援要請が出されてきている。
町としては住民からの意見を聴いた上で対応していきたいと考え、今日の開催に至ったものである。
今日は住民の皆さんから忌憚のない意見をお聞きしたいと考えている。


◎十鉄からの説明→資料に基づく内容

◎参加者からの意見、質疑等


Q1.
1.十鉄は90年の歴史がある。当地においては多大な文化を持ってきたものと私は感じている。多少のマイナス面はあっても存続してもらいたい。
2.これから10年間で5億2,100万の負担となっているが、これは六戸町、三沢市、十和田市はどのような負担になるのかお聞きしたい。

A.
1.(十鉄)当社の鉄道事業については、実際の営業上では何十年も前から赤字でやってきている。鉄道に対する思い入れ、電車が走っているという文化性がある。沿線にある高校、いろいろな意味で鉄道がある文化性…。ただ民間事業者の商売だけ利益だけからかけ離れて、現在まで過去の先輩から地域住民と一緒になんとかやってこられたと思っている。今回、従来の枠を大きく超えた支援要請に至った原因については、少子化、震災の影響等いろいろあるが、私たちもなんとか鉄道を維持存続していきたいとの思いで2市1町へ要請させて頂いたという経緯である。

2.(六戸町)仮に鉄道存続となった場合の自治体負担について、今後の話し合いで決まっていくことになる。参考までに平成14年度から沿線2市1町で安全のための施設整備目的で補助金を出しているが、その負担割合があって当初と若干変わってきている。各自治体の人口での負担割合を25%、財政規模での負担割合を25%、利用者での負担割合等を考慮して定めている。直近では六戸町の負担割合が17.7%になっている。

Q2.六戸町での負担割合が17.7%となっているが、本来の金額はいくらなのか?
A.(六戸町)平成14年度から22年度までの合計で約2,040万円である。

Q3.新聞報道を見ると力が抜けてしまうような感じがする。十和田観光電鉄に勤務した方が執筆した本があり、それを見ると大正2年から約10年かけて認可をもらい、大正11年に電車が運行開始した。その10年間に申請した会社が倒産したり、幾多の変遷を経て大臣許可を得て軽便鉄道で開業にこぎ着けた。蒸気機関車や客車をドイツから買って走らせた。なぜ鉄道を通したのかといえば十和田市のためである。当時、十和田市から国鉄三沢駅まで徒歩か馬車で行っていた。十和田市の方々が欲しくてたまらない鉄道を通したのだから、新聞を見ると「もっと十和田市の方々に理解して欲しい」と思った。
今日出席している顔ぶれを見ると昔は電車通学をした人ばかりである。七百地区住民は電車の存在が当たり前となっている。電車が通ったことで七百地区の世帯数は大きく増えた。ここにやってきた世帯も電車があるから、ここに住んだという人たちが大勢いる。高齢化社会を迎えて電車が必要となってくる人たちも増えてくる。廃止するのは簡単だが、もっと慎重に考えて欲しい。十鉄も鉄道の存在感をもっとアピールして欲しい。
もし電車を廃止したら目に見えない経済的落ち込みや打撃がもっとくると思う。
電車を使って通学している生徒のためにも絶対に電車を廃止しないで欲しい。もし電車を廃止すると生徒が知ったらがっかりすると思う。そうしないためにも残すべきだ。(十鉄に対して)ぜひ頑張ってください!
(十鉄社長に対して)あなたが素晴らしい社長になるか、これで終わらせるか、あなたに懸っていますよ。頑張ってください!

A.(十鉄)昭和45年頃が鉄道利用のピークだった時に電車通学していたので、混雑して4~5両編成で運行していた時の思い出が鮮明に残っている。非常にありがたいご意見である。私たちはなんとか鉄道を維持存続していきたいと非常に無理なお願いだと重々承知しているが、各自治体へお願いしている。私たちも頑張ります。非常に貴重なご意見をありがとうございました。

Q4.東北新幹線全線開業を機に一般利用者が減少しているとのことだが、これは事前に予想できたことではないのか。十鉄は、このための施策を何かやったのか。これからどういった対策を考えているのか。
A.(十鉄社長)東北新幹線全線開業することにより、八戸駅で乗降してJR東北本線の特急列車を利用して三沢経由で十鉄を利用していた人が七戸十和田駅開業により利用客がシフトすることで数%の利用落ち込みはあると予想していたが、三沢駅前で客待ちしているタクシードライバーの話も聞いているが、ここまで極度に落ち込むとは予想していなかったのが実感である。この要因としては特急列車の廃止や八戸での新幹線と青い森鉄道との接続が悪いとか、車両のやりくり等々、いろいろな要因があると思うが、私たちの予想を超えて一般客が三沢駅で降りなくなってしまったというのが実感としてある。
その対策について鉄道の収入は非常に小さいが、従来は観光バスとかホテル等の観光レジャー部門で内部補填してきたことを説明してきた。鉄道を除き東北新幹線全線開業により観光客が増えたことで観光バス、ホテルも3月10日まで好調に推移してきたため、ある程度の鉄道欠損分は補填できると考えていたが、東日本大震災の発生、津波被害、福島の原発事故が深刻な影響を及ぼしてしまった。北海道からの修学旅行がほぼ全てキャンセルになってしまった。5、6月にかけて観光バスの部門だけでも数億円の収入ダウンとなった。十和田湖の遊覧船、ホテルも含めて原発事故後の風評被害を受けて観光客が激減してしまい影響が大きい。北海道の修学旅行の状況を調べてみたが、来年も従来の半分か良くて1/3程度、もしくは今年のような状況が続くのではないかと見込んでいる。首都圏の私立中学校とかも同様の傾向。今後、原発事故の収束状況にどういうことになるのか分からない。会社として総合的に考えると鉄道と、鉄道を支える他の部門の先行きが不透明であることが現実にある。既に鉄道は商売や利益だけでやってきているのではないことを説明しているが、今後もなんとか鉄道の存続に向けて営業努力していきたいと考えているのでご理解賜りたい。

(十鉄担当者)鉄道自体の利用者を増やす点だが、新幹線開業により乗客減少となることはある程度予想していたので、利用促進策の1つとして当社と青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道と3社で青森県南部地域と岩手県北地域の交流を増やし利用客を増やしていこうという話し合いをしてきた。震災の影響で一時中断していたが、新幹線で来た観光客のための2次交通として鉄道利用へ取り込みしたいと考えていた。青い森鉄道と当社の電車、バスを含めれば県内の大半で移動ができるため、そういった企画乗車券も作って利用促進を図っていき、利用客の落ち込みを少しでも回復させたいと考えている。

Q5.これからの方策についてだが、青い森鉄道とのタイアップを考える時の話として、例えば東北新幹線で八戸まで来た時に三沢で十鉄に乗り換えて六戸町、十和田市へ帰る人、または十和田市や六戸町から三沢経由で行く時に、JR時代であれば三沢~八戸間に特急列車があったが、それが廃止されたことですんなり八戸~三沢まで来られなくなったことで、十鉄に乗り換える一番良い要素がなくなったと思っている。その対策を青い森鉄道で取ってくれていないと私は感じている。そういう意味で利用者がなくなるのは当然ではないか。そういった部分をタイアップしていけば良いと思うし、十和田市の発展にも役立つのではないか。
私は今後も鉄道を利用したいと思っているので、是非そういったことも考えてもらいたい。
A.(十鉄)大変貴重なご意見をありがとうございました。

Q6.七百地区は生まれて気が付いた時から十鉄が走っていて、いつも大変お世話になっている。鉄道の通学生利用が少子化で減っているのは当たり前だし、青い森鉄道も決して経営が楽ではないと思う。テレビのニュースで津軽鉄道の四季折々な風景が報じられている。十鉄がニュースに出てくることは殆どない。津軽鉄道は太宰治が地域おこしに役立っている。私も実際にどのような風景なのかと津軽鉄道へ乗りに行ってみたが、努力しているという感じがした。津軽鉄道と比較して大変申し訳ないが、三沢~十和田市間で乗ってみても感動を与えるような場面がないし、乗ってみて何の変哲もなければ観光客も乗ってみたいと思わないのではないか。私の知人たちは昔乗ったことがある電車にもう一回乗ってみたいということで乗りに来る人もいる。せっかく「十和田観光電鉄」という立派な名前を持っている訳だから、もっと鉄道をネタに地域おこししたらどうか。観光客をもっと増やすような、もっと鉄道利用者を増やすようなことを地域ぐるみでやっていかないことにはダメなのではないか。そういう意味での十鉄には企業努力が必要だと思う。
A.(十鉄)津軽鉄道の話も出たが、十鉄関連のホテルでは津軽鉄道のストーブ列車や太宰治の生誕とか、弘前城の築城400年だとか、従来からの素材はあるものの、津軽に比べて十鉄エリアに歴史的な素材ではなく、新たな素材を作ってこなかったというのは率直に指摘された通りだと思う。当社でも七百を中心にかぶと虫電車やビール電車運行に取り組んできている。
観光客誘致という点で今年は震災の影響で全てキャンセルになったが、何年か前から十和田市の北里大学から十和田市駅まで、桜の名所ということで1000名ほど観光客を誘致している。ただし単価が100円だとか200円ということで収入には大きく跳ね返ってこないものの、少しずつ鉄道の魅力だとか沿線住民の理解を得るというためにも小さいながらイベントは行っている。
いずれにせよ、最初のご指摘通り、津軽と比べたら努力不足という点は真摯に受け止めたい。
貴重なご意見をありがとうございました。

Q7.例えば電車を廃止してバス代行になった場合、雨が降ったら事故の危険性が高くなるのではないか。雨が降ると交通渋滞が激しくなるし、バス停には屋根もない。バスを待つ間は傘をさしておかなければならない。雨が降って事故が起きたりするのではないかと危惧している。バス代行でも構わないが、自分の孫が事故に巻き込まれたとなると困るので、まずは鉄道存続に向けて頑張って欲しい。
バス代行になった場合、三沢市役所から三本木高校までといったような運行はできるのか。

A.(十鉄)仮の話ということになるが、鉄道が廃止になってバス代行になる場合、バスを運行する前に沿線の各学校や自治体とも協議して、どこからどこまで、鉄道よりも学校の近くまでバスが乗り入れることで利便性を確保することはできると思うので最大限やっていきたいと思っている。ただ現状は鉄道に対して支援を求めている段階なので断定はできないが、仮に鉄道が廃止になってバス代行となった場合は、利用者が最も多く集まる所までバスを乗り入れさせることは十分に考えられる。

Q8.ちなみに仮ということで構わないが、バス代行となった場合は、現行の鉄道運賃と比べてどのように変わるのか?
A.(十鉄)運賃は国交省への届け出が必要になる。鉄道からバス代行になる場合、できるだけ値上げにならないようにしたいと考えている。現在の利用は8割が通学定期利用者なので、バス代行になった場合でも少し上がることになるかもしれないが、極力鉄道と比べて同じくらいにできるようシミュレーションもしていきたいが、具体的な検討はまだ行っていない。

Q9.鉄道とバス代行の場合だと定期券の割引率はどのように変わるのか?
A.(十鉄)鉄道とバスだと定期券の割引率は異なるので、その点はご了解頂きたいと考えている。普通券については鉄道とバスと同じ金額でいきたいと思うが、国との相談も絡む問題である。また2市1町との協議も踏まえて検討していく。

Q10.今日は高齢者の方、特に女性の方々があまり来ていないが、大半の方は「どうして鉄道がなくなるのだろう」と非常に心配していると思う。そういう声なき声があるということも忘れないで欲しい。鉄道はかなりのお年寄りが利用しているはずである。そう思うと十鉄もそうだが、市町の担当者も努力して頂きたいと思う。
十鉄ができた時、私の父も七百の変電所で仕事として関わっていたこともあり、非常に親しみを感じている。
A.(十鉄)高齢者の声なき声を是非聞いてほしいとのご意見に感銘した。本当にありがとうございました。頑張ります。

Q11.毎日、十鉄の電車とバスで通勤している。いつもお世話になっている。新幹線八戸駅で降車した人が三沢へ来るのに青い森鉄道へ乗り換えるため40~50分も待っていないと接続がないという話を聴いている。青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道3社相互利用促進協定の締結をしているとあるが、3社協議して接続ダイヤを改善できないものか?
A.(十鉄社長)協定は運行に関する内容ではない。お互いに地域の利用を高めるために地域の素材を持ち寄って、例えば青い森鉄道の定期券を所持していれば、十鉄沿線の観光施設の入場料を割引したり、相互に利用客を増やそうというもので営業上の利用促進を図る協定である。
(十鉄担当者)八戸駅での新幹線と青い森鉄道との接続ダイヤについては青い森鉄道側でも問題を認識しており、JR東日本と協議している。三沢駅での青い森鉄道と十鉄との接続ダイヤについては、青森へ向かう列車と八戸へ向かう列車のどちらに合わせてダイヤを引くかが悩みだった。特に通学時間帯についてはどちらに合わせるのかが大きな課題となっており、一部不具合がある箇所もある。それについて文書で改善を申し入れたが、次回のダイヤ改正で対応できれば考慮するという話があった。
ただ青い森鉄道も運行するにしても制約があるという状況である。ダイヤを決める優先順位は最初に大湊線や八戸線のダイヤが決まり、次にJR貨物、最後に青い森鉄道のダイヤが決まるそうである。青い森鉄道のダイヤが発表されて十鉄のダイヤを決めるという順番になるので、新しいダイヤが決まったら少しでも早く情報を出して欲しいと要望している。

Q12.過去10年間の輸送量推移を見ると、14年度と15年度で大きく減少している。十和田市駅ビル、元ダイエーが閉店したことを受けて利用客の落ち込みが激しいと思う。新幹線ができて観光客等、外からの客を呼び込むことは大事だと思う。基本は下支えする中(沿線住民)の利用者を増やすことが大切である。ダイエーの閉店によって中の利用者が減った影響は大きいと思う。来年春から頓挫した十和田市駅ビルの再開発がスタートするという話も聞いている。外から連れて来る客を増やすだけではなく、沿線住民をいかに鉄道へ乗ってもらうかを考えてもらいたい。鉄道が廃止されたら少なからず困る人は必ずいるので、私たち若い世代も混ぜて考える場を作ってもらいたい。
若い人の意見も聞いて地域住民の方々が電車に対する思いを考える場が必要との意見は、大変貴重なものである。ありがとうございました。

Q13.大間町で函館と大間を結ぶフェリー航路に20億円を使うと報道されているが、1つの町で20億円、こちらは2市1町で5億2千万円、六戸町の従来の負担割合で考えると10年間で約920万円、今日の懇談会が終わって帰ったら町長と協議してみて欲しい。
A.(六戸町)貴重な意見として受け止めたい。
 
【管理人(注)】六戸での説明会では存続を求める意見のみで、廃止を容認する意見は一切出なかった。
 
 
「どうする十鉄・緊急フォーラム」
◆関連記事→「どうする十鉄・緊急フォーラム」開催へ(2011/09/10:八戸鉄道・バス研究会別館ブログ)
2011年9月19日に、十和田市民文化センター視聴覚ホールにて「とわだ市民活動ネットワーク」主催の市民フォーラム「どうする とうてつ」が開催されました。
当日の模様がyoutubeにアップされていますので、下記よりご覧ください。
とうてつフォーラム(その1)
とうてつフォーラム(その2)
とうてつフォーラム(その3)
とうてつフォーラム(その4)
とうてつフォーラム(その5)
とうてつフォーラム(その6)

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